宇和島&大洲&臼杵 : 神社仏閣・町並み・その他


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訪れた城

 宇和島城(別名・鶴島城)の天守閣。市内の高台に立つこの城は,宇和島のランドマーク。天守に至る道のりも険しいが,天守閣内部の階段もとても険しい。城は藤堂高虎が慶長6年(1601)に築城。のち,伊達家10万石が封ぜられる。現在の天守閣は寛文11年(1671)の建築(重要文化財)。天守閣が昔のままの姿を残す12城の1つ。

 宇和島城天守からみた風景。宇和島の町並みは周囲の山々に囲まれており,豊かな美しさに恵まれている。

 城の近くには庭園「天赦園」があるが,こちらはわざわざ観に行くほどのものではない?

 宇和島はJR予讃線・予土線の終着駅。雰囲気も独特。
 

 大洲城。再建されたばかりの天守閣の内部では,木の強い香りが残っていた。木造による天守閣復元は日本で4件目なのだとか(・・・勿論,第二次大戦後に限ってであろう)。原型に忠実につくられているのは好感を持てる。天守からは市内が一望できるが,都市の規模が小さいためか迫力はいま一つ。


(肱川と大洲城)

 城は元弘元年(1331),宇都宮豊房による築という。もとの天守は元和初年(1615)に脇坂安治が建立したと推定されている。江戸時代には加藤氏6万石が入封する。
 

臼杵城址(大分県・臼杵市)

 臼杵城は戦国時代のキリシタン大名・大友宗麟が築いた。
 江戸時代には稲葉氏5万石が封じられた。もともと港町だっただけに,進取の気性が引き継がれてきたようで,女流作家・野上弥生子を生んだのもその流れか。
 


 現在,城そのものには見どころは少ない。右の「畳櫓」は現存する櫓の一つ。城の近くにはなぜか猫がたくさん。


訪れた寺社仏閣 

宇和島・和霊神社


 境内には牛鬼の面が飾られている。

 伊達藩の家老・山家清兵衛公頼が祀られている。清兵衛が暗殺されたのち,政敵たちの変死が相次いだことから,清兵衛は怨霊として恐れられ祀られたことに由来する。

 境内には坂本竜馬脱藩を記念する史蹟も。竜馬の祖先がこの神社の分社を土佐に建立した。竜馬は脱藩時,家の守護神である和霊神社(土佐)に加護を祈ったという。

 宇和島駅から徒歩5分程度。須賀川を渡る橋の前から撮影。
 

宇和島・多賀神社公式ページ
 併設されている18禁の性資料館・凸凹神社がむしろメイン。イヤラシイものばかりだと眉を顰める人もあるかも知れないが,そもそもエロは五穀豊穣・豊かさの象徴。世界各国の偶像や絵画には民俗学的に興味深いものがたくさん存在する。
 


 この資料館,その研究・収集意欲には頭が下がる(残念ながら複製ものが多いのだけれど)。内容の正確性はともかく,人類の普遍的文化の資料館といえるだろう。中には笑っちゃうようなものもあるが。
 

臼杵・龍原寺三重塔。安政5年(1858年)竣工。

 野上弥生子記念館の資料には,三重塔は九州には2つしかないとあった。「もう1つはどこか」とその後調べてみると「福岡県瀬高町の清水寺長崎県平戸市の最教寺福岡県豊津町の豊前国分寺跡を入れて4つある」という情報も・・・。再建されたものはカウントしないのかな? 

・・・日本最大の三重の塔である最教寺のものは平成元年の完成,豊前国分寺跡のものは戦国時代末期に戦乱で失われた七重塔を明治28年に三重塔として建て直されたもの,瀬高町のものは天保7年(1836)に建立されたものが昭和41年に全面補修されている。
国宝・臼杵石仏関連サイト:「石の仏」,NTT大分支店の臼杵石仏紹介ページ

(上)古園石仏。以前は落ちた仏頭が台座に安置されていたが,現在は元の位置に復元されている。

(右上)地蔵十王像。

(右下)ホキ石仏群の外,特に説明もないままに野ざらしになっている仏様。もしかすると,このあたりに生えている植物をすべて剥がしたら,たくさんの仏様が埋もれているのかも・・・。



町並み

(参考)
愛媛県南予地域観光振興イベント
えひめ町並博2004
 

 大洲・内子・宇和を中心に宇和島市・八幡浜市など南予(なんよ)一円で開催されている,「パビリオンのない,旅の博覧会」(2004年4月29日〜10月31日)。
 
伊予大洲の町並み

 大洲は「伊予の小京都」と呼ばれる(全国京都会議・小京都のページ)。大洲はえひめ町並博にも参加していて,「おはなはん通り」などの有名な町並みも多い。昭和30年代風の街づくりにも熱心だ。しかし,どうも作為が感じられて面白くない。30年代風自体,あちこちで再現されていて新味も何もないし。

 町並み保存の努力の中で感心したのは,使われていない個人病院などをそのままの形で保存していたり,左の写真のようにシャッター通り化した商店街の柱を竹で囲んで風情あるつくりにしたりというような,地道な努力。

 昭和30年代風の町並み再現による町おこしというのは長くは続かないように思えるだけに,丁寧な風情づくりには注目したい。

 「臥龍山荘
 もともと肱川随一の景勝地「臥龍淵」に藤堂高虎の家臣が庭園を作り,歴代藩主の遊ぶ地となった。その後,明治の貿易商・河内寅次郎が10年かけて茶室建築家たちと作り込んだ名建築がこの山荘。臥龍院・不老庵・知止庵それぞれの建物に独特の個性がある。
 

 臥龍淵を望む不老庵では,生きた槙の木を柱の一部として使う「捨て柱」が用いられているが,その槙の木は現在も枯れずに緑をたたえている。


 また,鵜飼の舟から望む臥龍山荘の風景にも風情がある。
 

臼杵(大分県)の町並み(町並博とは無関係)

 「コープうすき」も町並みに配慮した土蔵風の色とデザイン(稲葉家下屋敷と臼杵城址の間に位置)。

 稲葉家下屋敷。稲葉氏といえば戦国武将,斎藤道三の家臣の流れ。この屋敷は廃藩置県後,旧藩主の稲葉氏が里帰りするために建てられたもので明治35年の築。

 現在,屋敷内からは隣の旧平井家住宅に行くことができる。昔の雪隠も,水洗トイレ化して利用できるようにしているのには感心。
 

 ここは臼杵の古い町並み。二王座・旧稲葉家長屋門から龍原寺へと向かう道。
 

 臼杵の観光名所の受付の人々はみんな親切。丁寧に名所の場所などを教えてくれる。このあたりは勧められてやってきた。ただ,観光客が増えすぎてしまうとこういう写真を撮ることも困難になってしまうが・・・。
 

癒される?

駅前高等温泉
 別府駅の乗り継ぎで時間が余ったなら入ってみよう。駅のまん前。設備は古いがお昼の時間は空いているし。


(右)宇和島・天赦園にて。カモは逃げずに相手をしてくれる。
 

【カエル4景】

臼杵石仏前・蓮田近くの用水路でカエルに会った。アオガエル1匹(上・左)と,小型のトノサマガエル(?)の大群。アオガエルは跳ねる方向に手をだせば勝手に手の中に飛び込んでくれるのだが,茶色のカエルは動きがすばやく,しかもジャンプして着地してからの行動がまたすばやい。童心に返って捕まえようとしたが,かなり時間を要した。キャッチ&リリースした頃にはかなり癒された??

(左)宇和島・大赦園の出口にて。

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