宇和島は遠かった! | |
以前はゼミ生の中にも宇和島出身者がいたりしたものです。だから宇和島は結構近いとばかり思っていました。ところが「別府からフェリーで一本だろう?」と思っていたのは大きな勘違い。 九州と四国を結ぶ大手フェリー会社に「宇和島運輸フェリー」(公式ページ)がありますが・・・ | ・・・四国側の玄関は三崎港と八幡浜港に集約され,宇和島に直行する航路は2000年10月末で休止されていたのです。 実は,廃止されているのは宇和島航路だけではありません。大分県佐伯市と高知県宿毛市を結ぶ宿毛観光汽船は2004年1月に破産し,再開に向けて「土佐・佐伯フェリー」が設立されたものの,航路再開は混迷し,7月末で再開のメドが立っていないという異常事態が続いています。おかげで高知県は観光や産業にかなりの打撃を被っているようです。 航路廃止のせいか,宇和島は活気がありません。航路廃止後には宇和島港の荒廃が進み,2002年6月には宇和島海上保安部が市民に清掃を呼びかけたこともありました。一方で航路が集約された八幡浜では,別府行きが6往復,臼杵行きは宇和島運輸フェリーの7本と,九四オレンジフェリー(公式ページ)が7往復出ているせいか,市内の道も混雑し,活気があるように思えました。都市としての器の大きさは宇和島がまだ上回っているようではありますが。なお,JR予讃線の便数も決して多くはありません(JR時刻表)。 |
やっぱり予約は必要ね! | 揺れはごく僅か |
WEB情報では「予約は乗用車(2等)のみとなります」とあったのに,特等や1等も電話なら予約ができるらしく,宇和島運輸フェリーの情報提供姿勢に少々怒りを感じました。お盆の帰省シーズンで当然ながら2等船室しか残っておらず,船室は大混雑。晴れていたのが幸いし,デッキで海をみて過ごしました。ちなみに船上でもケータイは通じましたし,持ち込んだ小型液晶TVもまずまず写りました。ただ,モバイル専用のPHS発信機は通じませんでしたね。もっとも,船のデッキでパソコンを広げることなど自殺行為ですが・・・。 私は瀬戸内海のフェリーや水中翼船はよく利用するのですが,長距離フェリーを個人で利用して切符購入時に名前を書かされたのは初めてで,TVのサスペンスドラマでよく目にするような「乗船名簿」が実際に機能しているのだと知って少し新鮮な驚きを感じました。 帰りの便は1等船室を取ったのですが,「相席になります」という係員の話とは裏腹に,客は私たちだけ。広々・伸び伸びと過ごすことができ快適でした。 | 行く前,「豊後水道は外海と同じだから揺れるよ〜」と脅されましたが,実際にはほとんど揺れることはありませんでした。というのも,行きは別府湾にずっと沿って航行しますから内海そのものですし,愛媛県側も佐多岬半島沿いを航行している間はそれほど流れは強そうにありません。 波が高く揺れが感じられたのは,その中間にあたる速吸瀬戸(豊予海峡)のところだけ。その他の海路ではデッキから水面をずっと見つめていてさえ,酔いはまったく感じられないほどです。欠航率の低さはフェリー会社が自慢しているほどですし,安定した航路なのでしょう。ま,船もかなり大きいですからただ,動物には少々不快感があるのか,別の客がデッキに連れ出していたイヌは落ち着き無く唸ったり歩き回ったり・・・。 (下の写真は八幡浜発 臼杵行きフェリー) |
航路風景 | |
四国側,佐多岬半島には風力発電の風車が並んでいます。 |
道中にて(1)トビウオ・ウォッチング | |
フェリー会社の情報によれば,別府湾では時としてイルカに会えるのだとか。ずっと水面をみていましたが,会えたのはクラゲだけ。それも,エチゼンクラゲの小型版というべき,真っ白で分厚く触手の長そうなやつがたくさん。あるいは,まさに成長途中といった小さなクラゲが群れを成して漂っていたり・・・。クラゲの種類は海の場所によっても異なるようで,岸に近づくほど,透明度の高いクラゲを多くみかけました。 | クラゲばかりで飽きてきた頃,船の下からスーっと飛び出してきたものが・・・。それも2匹,3匹・・・。まるで虫のようにも見えましたが,これこそトビウオ。20m〜50mくらいは滑空していたでしょうか。よく飛ぶものです。岸に近づいてからはほとんど見かけなくなりましたが,往復ともそれぞれ5〜6回は見かけました。沖では,南方系の魚らしい,青と黄色が目立つ少し大きめの魚が海面近くに何度か現れました。 |
道中にて(2)神楽に出会う 別府駅では神楽の実演に人だかりが。これは庄内神楽だそうです(庄内町のページ)。庄内町は久大本線で大分から約45分のところにあります 。 |
道中にて(3)いろいろな船に出会う | |
海上保安庁の船,水産庁の船,そして建造中の船(臼杵)・・・。道中,さまざまな船に出会えるのも楽しいものです(右:海上保安庁)。 |